『はたらく細胞』清水茜 作【ネタバレ結末】

ヒューマンコミック

■タイトルと作者

『はたらく細胞』清水茜 作

■どんなテーマなのか?

人間の体内で24時間働く細胞たちを擬人化した漫画。

■巻数

1〜5巻以下続刊

■あらすじは?

【第1話 肺炎球菌】

 

人間の体内で24時間休みなく働きつづける細胞たち。

赤血球(AE3803番)は、酸素の運搬中に細菌に襲われそうになったところ、白血球(U-1146番)に助けられる。

二酸化炭素を肺へ運ぶことになった赤血球は迷子になり、体内のあちこちをめぐっている途中で肺炎球菌と遭遇。再び白血球に助けられ、一緒に肺炎球菌を探す。

肺炎球菌は赤血球の荷物の中に入り込んでいたが、いち早く気づいた白血球が迎撃し気管支で捕獲に成功。ミサイル型「くしゃみ一号」により打ち上げて「ばいばい菌」でサヨナラした。

 

【第2話 スギ花粉アレルギー】

 

眼球付近の粘膜からスギ花粉アレルゲンの侵入がはじまる。スギ花粉アレルゲンと遭遇した赤血球だったが、いち早く駆けつけた白血球が処理。

病気を引き起こす細菌とは違うが、記憶細胞が「代々伝わる言い伝え」を元に騒ぎ出し、「未曾有の大災害」が起こると予言する。ヘルパーT細胞はB細胞に現場に向かわせIgE抗体を発射し片付けるが、マスト細胞のヒスタミンのせいで大洪水になり流される。

ヒスタミンが活性化されすぎたせいで各部署で大混乱が起き、最終的に「スギ花粉アレルギー」と呼ばれる大災害が発生。外部から注入された機械型のステロイドにより、敵味方の区別なく攻撃が始まる。

 

【第3話 インフルエンザ】

 

ナイーブT細胞が見回り中に、インフルエンザウイルスに感染してゾンビ型になった細胞に遭遇してしまう。

抗原との戦闘経験のないナイーブT細胞は逃げ回り、白血球に救われる。マクロファージも応援に駆けつけ、樹々細胞にウイルスの型を連絡。

ヘルパーT細胞の出撃命令により出てきたキラーT細胞たちが、ナイーブT細胞に気合を入れたあと、インフルエンザウイルスに攻撃開始。

何の役にも立たないナイーブT細胞は樹々細胞に悩みを打ち明け、先輩たちも過去には自分と同じ弱いナイーブT細胞だったと知ったことで「活性化」される。ナイーブT細胞はエフェクターT細胞に進化、分裂増殖し各細胞たちとともにインフルエンザウイルスを全滅させた。

 

【第4話 すり傷】

 

平和だった血管が突如として破壊され大穴があき、赤血球は吸い込まれそうになる。「すり傷」から落ちそうになったものの白血球によって助けられた。

傷口から黄色ブドウ球菌など雑菌たちが侵入し、傷口に吸い込まれそうになりながら苦戦を強いられる。

助っ人としてやってきた血小板たちが凝固因子を使って傷口に血栓を貼り、雑菌のこれ以上の侵入を防ぐ。おかげで白血球たちが勝利した。

 

■登場人物の紹介

 

赤血球(AE3803番):赤い制服と帽子がトレンドマークの元気な女の子。ドジで方向音痴。白血球1146番と幼い頃から縁があり、体内で何度も助けられる。酸素と二酸化炭素を運搬するのが役目。なお、制服は動脈と静脈でリバーシブルになっている。

白血球(U-1146番):別名好中球。外部から侵入した細菌やウイルスの排除を仕事にする。遊走で血管の壁をすりぬけられる。また、貪食も可能。全身真っ白で1146番は赤血球(AE3803番)とよく出会う。目つきが怖く、淡々と任務遂行する。最近を探知すると頭の上にレセプターが立つ。

血小板:血管が損傷したときに血餅をつくって傷口を塞ぐ役目。かわいいちびっこ軍団。

好酸球:白血球の一種。細菌を駆除する力は劣るが、アレルギーや寄生虫に対応する。ツインテのお姉ちゃん。

樹状細胞:体内の免疫系細胞に体内に侵入してきた抗原を提示する役割。ナイーブT細胞を活性化する力ももつ。

マクロファージ:白血球の一種で体内の異物を捕らえて抗原情報を取得できる。細菌を片付ける掃除屋で、たまに「単球さん」に変身する。赤血球の幼少時(赤芽球)のお世話も仕事。

キラーT細胞:細胞障害性T細胞。ヘルパーT細胞の出撃命令後に、異物を認識して破壊する。ヤンキー系でガチムチ。ただし、ナイーブ細胞だったときは弱っちかった。

ナイーブT細胞(→エフェクターT細胞):抗原と一度も遭遇したことがない未熟なT細胞。弱くて先輩たちにいじめられていた。樹状細胞の励ましにより活性化し、エフェクターT細胞に進化後、分裂増殖してインフルエンザウイルスを壊滅させた。弱々しかった外見もそれに合わせてムキムキに変身。

記憶細胞:抗原の免疫を記憶しているリンパ球。時折予言をする。

マスト細胞:肥満細胞。ヒスタミンを分泌するが、量のコントロールができずしばしば暴走する。白衣のお姉ちゃん。

NK細胞:ナチュラルキラー細胞。全身をパトロールしてがん細胞やウイルスを攻撃。気が強くキラーT細胞と喧嘩する。

B細胞:抗体産生細胞。細菌やウイルスに対し抗体を作って戦うリンパ球。

ヘルパーT細胞:外的侵入情報をもとに的確な攻撃指示を出す司令塔。キラーT細胞に出動命令を出す。

敵対勢力

肺炎球菌:肺炎などを引き起こす呼吸病原菌。血管内皮細胞から侵入して赤血球を襲う。莢膜を使って逃げるも、白血球と戦い気管支から「くしゃみ一号」によって体外へ排出された。

スギ花粉アレルゲン:スギ花粉の中に含まれるタンパク質成分で、眼球粘膜付近から侵入した。病気の原因にはならないが「大災害」の前触れと言われている。

インフルエンザウイルス:感染症であるインフルエンザを引き起こすウイルス。細胞の体に寄生して数を増やす。見た目ゾンビっぽい。

 

■コメント

 

設定みるだけでおもしろそう!と思ったとおり、体内で働く細胞たちのドタバタがコメディのようで楽しい。白血球と赤血球の個人的(と言っていいのかわからんけど)関わりも気になります。

絵が綺麗でかわいく、(とくに血小板のおチビさんたちがかわいい)自分の体内でもこんな風に彼らが働いているのか・・・と想像するとほのぼのしてきます。

人間本体はインフルエンザになったり免疫機能が弱ったり、花粉症だったり、すり傷つくったり熱中症になったり・・・としょっちゅう体調を崩している様子。

 

■作品への評価

 

人間の体内の細胞・血液の働きについて知識がある方なら「これをこう擬人化できるのか」と面白く読める内容。

知識がない人も、赤血球・白血球たちの仕事ぶりからどんな働きなのか理解していけます。

「擬人化」と言っても極端な萌えではなく、真面目に細胞の機能や役割を中心に展開されているため勉強になります。