『ゴミ屋敷とトイプードルと私』池田ユキオ作【ネタバレ結末】

ヒューマンコミック

■タイトルと作者

 

『ゴミ屋敷とトイプードルと私』池田ユキオ作

■どんなテーマなのか?

 

SNSで「キラキラ女子」になりきるために動物虐待、親のスネカジリ、借金返済で地獄を見る女。

■巻数と試し読み

 

1巻完結。

>>「ゴミ屋敷とトイプードルと私」試し読み

(転落女子地獄 蜘蛛の巣貧困vol.1収録作品。単品でも購入できます)

 

■あらすじは?

 

若い頃読モをやっていたことが自慢の明日香は、34歳になった今でもSNSの中で『キラキラ女子』をしていた。

輝くためにはお金がかかる。ブランドや高級レストランでの食事風景を撮影するために、いつのまにか借金は400万円になり、300万円は親に泣きついてなんとか支払ってもらった。

今は実家の離れの庭に暮らしつつ、OLをしている。

 

30万円のトイプードル・ソラをネタにSNSで「明日香さん、素敵です!」というコメントを集めるが、犬を飼うのは手間で言うことを聞かないソラにイラつき虐待する。ソラはゴミ屋敷と化した部屋で、横たわっているのを姉と母に救われた。

その頃、明日香は見栄で後輩・サヤにオシャレなレストランでご飯をおごるがカード利用停止により恥をかく。

父親がくも膜下出血で倒れ、もう親にすねかじりができなくなった明日香は、カードの支払いのために「ハゲダヌキ」と呼ばれるクライアントとの現場をサヤに撮影され、翌日会社で笑いものになった。

 

■登場人物の紹介

 

明日香:34歳OL。元・読モだったことが自慢でSNSで「輝く私」でいるために借金400万円をこしらえる。

ソラ:明日香が30万円で購入したペットのトイプードル。SNSアピールのためだけに飼われ、虐待を受けて衰弱する。姉に救出され、ラストでは姉一家にかわいがる姿が見られた。

今日子:明日香の姉。地味な容姿で子供のころから妹においしいとこどりをされてきた。地味な夫と結婚し、息子がいる。

サヤ:明日香が働く会社の後輩。明日香を褒めるが、裏では「三十路ババアがキラキラ女子なんてイタすぎ」と馬鹿にしていた。

徳井:明日香が働く会社の女子社員の憧れのイケメン。明日香に気があるそぶりを見せる。サヤの彼氏で、ふたりで明日香のSNSを見てあざ笑っていた。

 

■結末

 

自分に気があると思っていたイケメン社員でさえ腹の中で馬鹿にしていたことを知り、精神が壊れて醜態をさらした明日香は会社をクビになった。

最終的に、すべてを奪われて見る影もない汚いオバサンになる。

 

■コメント

 

「こんなの私じゃない!」と、SNSの中のセレブお嬢様と思い込んでいたはずが、リアルでどんどんおちぶれていく明日香の転落人生。

誰にも同情されない、キラキラ女子の哀れな顛末でした。

表面上は「素敵」と持ち上げられながら、後輩に陰で悪口を言われるあたりがエグさ漂います。

「いいね!」とコメントをもらうためだけに、高いブランド品を買いあさり撮影、部屋の中は入れ物の箱が汚く散乱しているという有様。

 

「トイプー効果」を狙って犬を飼ったものの、写真をアップしてしまえば犬は用済み。

自分の面倒すら見られない明日香が動物虐待の末にゴミの山の中に放置している場面はゾッとしました。ラストでソラが助かって幸せな様子だったのが救いです。

 

■作品への評価

 

自己中で見栄と虚飾のSNS生活のために、周囲を犠牲にしてきた主人公が「キラキラ女子」から「ただの醜いおばさん」へ転落していく物語。

妹に幼いころから虐げられてきた姉の復讐も絡み、短いながらに読み応えがあり、ある種、勧善懲悪ストーリーのようなスッキリ感がありました。